stoicのポケモンGBAメモ帳(二)

ポケモン第二世代、第三世代について主に考察するブログ。

続・PJCS2023本戦大会形式推測

PJCS2023本戦(0514実施)の結果画面がサイレント更新されてレートが記載されたらしく、この結果を用いて考察を進めてみた。

順位VSレート勾配


こちらは、順位&レートを観測できた人の、順位とレート勾配(下の順位の人とのレート差/順位差)の図である。
縦軸にレート勾配、横軸に順位をとっている。
レート形式の大会は、レート勾配(レート差/順位差。)が上位帯ほど大きく、中位帯ほど小さく、下位隊は再び大きくなる、という傾向をとる。
この大会の理想的な結果のひとつは、
「80位近辺(適当)以下は団子(レート勾配が小さい)でもいいから、64位近辺以上にある程度納得感のある順位を与える」
である。*1
こうなるようにレートの変動幅などを設計しておくと、レートの収束が比較的早く、団子帯についてはレート運が大きかろうとどうせ抜けラインよりははっきりと低い順位帯なので不満はでにくかったはずである。
しかし実際の順位&レート勾配の図はそうはなっておらず、むしろ50位近辺のレート勾配が小さくなっている(団子を形成している)。
おそらく、「順位なし」は欠番扱いではなく、そのぶん下位の順位を繰り上げていると思われる。*2

考察

今回の大会では、「強制連戦」という不具合によって「対戦数のカウント漏れ」(レート計算漏れ、ではないことが重要。対戦数カウントとレート計算は前の記事で書いた通り、完全に独立させてそれぞれを「正常に」管理することが可能である)を誘発しやすい状態となり、これによって特に高レート帯に「順位なし」が多発してしまった。
その結果、もともとレート勾配が低かった中位帯(レート1あたりの人口密度が高い、と言ってもいい)の順位がかなり繰り上がり、64人抜けライン近辺にレート勾配が低いゾーンが来てしまった。
要するに
「抜けライン周辺においてマッチング運の寄与がかなり高く、納得感を生みにくい大会」
になってしまっているのである。
もともと存在している「強制連戦」不具合に対する不信感と、この「納得されにくい結果を出す大会形式になってしまった」ことによる納得のされなさ(語彙力)の相乗効果で不満が噴出し、「レートがそもそも計算できていないのでは」といった疑惑まで出る羽目になった。
ぶっちゃけ、「レートの数字が出たこと」は「レートの計算が正常に行われていた」ことを何も担保しない*3のだが、現在の順位分布やレート勾配はいずれも「強制連戦」不具合に伴うレート上位陣の「順位なし」多発と、彼らの順位表からの除外及び残る選手の繰り上がりで説明がつく。

そのため、「PJCS2023本戦(0514実施)の大会形式」については、前回の形式とあわせて、
「試合の勝敗に基づくレート計算結果は全て正常に実施されていた」
「おそらく、「試合中の切断を負け扱いとし、切断された側も勝ち扱いとする」現在の仕様も正常に機能していた」
「試合の勝敗に基づくレート計算と、試合数は独立して管理されていた」
「試合数の送信が正常にされなかったものの一部が「順位なし」として処理され、そのぶん他の面々の順位は繰り上がった」

*4といったあたりで、個人的結論としておきたいと思う。

Special thanks

本考察のもととなる情報探索にリバティノートの上位まとめ記事を用いた。順位&レートをツイートしていた皆さんのおかげで面白い考察をできた。以上の皆さんに感謝します。

*1:団子帯が必要なのは、必然的にそうなる、というのもあるが、レート計算の都合上、限られた試合の中で団子帯を減らそうとするとレートのバタつきが大きくなってしまうからである

*2:たとえば、9位と13位の間、56位と57位の間など、レート勾配が周囲の値と比べて妙に高くなっている箇所が見られるのだが、彼らの間のレートをとる「順位なし」が存在していて、「順位なし」判定で間引かれてしまった可能性が高い。

*3:順位と矛盾しないように適当なレートをつければ容易に偽装可能なので

*4:少なくとも、これらを積極的に否定する事例は観測できなかった