stoicのポケモンGBAメモ帳(二)

ポケモン第二世代、第三世代について主に考察するブログ。

ワールドトリガーB級ランク戦R8における千佳ちゃんのトリガー構成

ワールドトリガー作中におけるベストバウトと名高い(?)ランク戦R8において、千佳ちゃんはバッグワームと併用していたトリガーが五種類ある。通常、一つのトリガーと併用できるのはもう片側に装備した四種のみであるため、千佳ちゃんのトリガー構成は謎であったが、今回この点を考察してみた。(考察していたメモ書きを見つけた)

千佳ちゃんのトリガーセットを推測する情報

R8において観測された千佳ちゃんの「トリガー二種併用」をおさらいしてみる。

VS二宮・辻(開幕)
バグワ+シールド→シールド+ハウンド

VS外岡(メテオラ大爆発)
バグワ+メテオラ→バグワ+シールド

移動中(ヒュース撃墜前後)
バグワ+アイビス

VS外岡(釣りハウンド)
バグワ+ハウンド
ハウンド+シールド

VS二宮・辻・犬飼(爆撃)
バグワ+メテオラ

VS二宮・辻・犬飼(最終盤)
バグワ+ライトニング
ライトニング+鉛弾
アイビス単発

トリガーセットの推測

まず、千佳ちゃんはバグワとハウンドを併用可能にしていたか?について考える。
トノの狙撃をシールドで防御した際、シールドとハウンドキューブが同時に写ったコマは存在しない。
したがって、この時のキューブが、黒トリガー争奪戦で出水が見せたような「射撃用のトリオンキューブと見せかけてシールド」だった可能性はある。
この場合、ハウンドとバグワは併用できなくても戦闘描写が全て説明可能になる。
例えば、
メイン アイビス ライトニング メテオラ シールド
サブ バグワ ハウンド 鉛弾 何か(シールド)
のような装備で、ひとまずR8のトリガー使用描写は説明可能になる。

ただしこのトリガーセットにはいくつか問題がある。
・鉛弾ハウンドが使えない。
・千佳ちゃんは「射撃と見せかけてシールド」をほんとに使えるのか?

まず「鉛弾ハウンドが使えない問題」についてだが、R8で鉛弾ハウンドは使ってはいないものの、二宮・辻との最初の接触時に修の脳内で「鉛弾ハウンドだと防御の厚みが足りなくなる」と考えているシーンが登場する。
そのため、「使ってはいないものの、鉛弾ハウンドを使おうと思えば使えるトリガー構成だった」と考えるのが妥当である。

次に、「射撃と見せかけてシールド」をほんとに千佳ちゃんは使えるのか?問題。
千佳ちゃんはやっと固定シールドを使えるようになった程度の練度であり、戦闘中のトリガーを操る技能はそこまで高いわけではない。
このことは、千佳ちゃんのハウンドがいつも整然とした状態で発射されていること、閉鎖環境試験で「戦闘経験不足」のマイナススキルが実装されている点などからも読み取ることができる。
どちらかというと、R6で隠岐相手に見せたような「狙撃に対して、アイビスだしっぱ、バグワ解除しつつシールド」というようなもともと持っているテクニックを、狙撃の方角を絞ることで発揮した、とみる方が自然に思われる。
※千佳ちゃんが戦闘経験不足ながらも狙撃手同士の実践的な読み合いが比較的得意であることは、補足・掩蔽訓練の際などにも描写されている。
また、詳細は省くが、千佳ちゃんは「敵意を感じ取るサイドエフェクト」をランク戦でも使っているのではないか、という疑惑がある。

というわけで、「外岡を釣った際に千佳ちゃんはバグワとハウンドを併用していた」と仮定して話を進めてみよう。

この場合、バグワと併用していたトリガーがアイビス・ライトニング・メテオラ・ハウンド・シールド と5種類になる。だとすると、自動的にメイン・サブの両方にバグワを装備していたことが確定する。
そうすると、さらに鉛弾の装備が確定しているため、例えば
メイン:バグワ・アイビス・ハウンド・ライトニング
サブ:バグワ・メテオラ・鉛弾・シールド
といったようなトリガー構成になる。
このトリガー構成はボーダー隊員の一般的な構成を「バッグワーム両方装備」「シールド片方しかつけてない」の2点で破っており、かなり異質な構成と言える。
シールドを片方しかセットしない隊員は、バッグワームタグ(装備した側に他のトリガーをセットできなくなる)持ちのトラッパー、スポッターと、烏丸、そひて修だけである。
修については、トリオンが少なすぎるためシールドの装備コストも節約したいことや、修のシールドが大した強度を発揮できないこと、防御用トリガーとして使えるレイガスト持ちであることなどが、シールド1枚持ちの理由と考えられる。

烏丸について、防御用として別にエスクードを装備していること、ガイストの性質上、装備コストを節約したいであろうこと(ガイストの有効時間は残トリオン量で決まるので、節約できる部分は節約したいはず)などが理由として考えらえれる。

千佳ちゃんについては、シールドを2枚貼りたい理由はR6で見せたような味方サポート程度しかなく、シールド単品で十分すぎるほどに硬い(千佳ちゃんのシールドが割られた描写はランク戦では一度もない)。さらにR8時点では固定シールドも習得したので防御力としてはシールド一枚だけで充分と判断したのかもしれない。また、R8直前の練習で玉狛第二は「にのまる」を使った射撃戦訓練をしていたが、その際にシールド二枚編成がほぼ無駄であることが判明した可能性もあるかもしれない(例:にのまるのアステロイドをシールド一枚で耐えた、など)。

>メイン:バグワ・アイビス・ハウンド・ライトニング
>サブ:バグワ・メテオラ・鉛弾・シールド
ちなみにこの構成は割とよくできていて、

メテオラ大爆発の際のとっさの固定シールド貼り(バグワ+メテオラ→バグワ+シールド。つまりバグワを貼りっぱなしでサブ側を切り替える)、外岡釣りの際のとっさのシールド貼り(ハウンド+バグワ→ハウンド出したままシールド(自動でバグワ解除))などを説明可能である。

したがって、千佳ちゃんのR8のトリガー構成としては、
メイン:バグワ・アイビス・ハウンド・ライトニング
サブ:バグワ・メテオラ・鉛弾・シールド
これを結論としておきたい。

バッグワーム二枚持ちはシールド一枚持ち以上に異質なトリガー構成ではあるが、千佳ちゃんの基本的な戦法である「どこから来るかわからない超火力狙撃/爆撃」を最大限活かす構成としては中々優れていると思う。

二宮隊の考えについて

ところで、二宮隊視点では千佳ちゃんのトリガー構成はどう見えていただろうか。
二宮隊が観測可能な状況に〇をつけて再掲すると、

〇バグワ+シールド
〇シールド+ハウンド
〇バグワ+メテオラ ※
〇バグワ+シールド ※
「レーダー反応がない位置でのメテオラ大爆発&ベイルアウトなし」という情報から、この2点は大爆発さえ目視していれば観測可能である。

バグワ+ハウンド※
ハウンド+シールド※
このとき二宮・辻の位置は割れていないが、観測していそうではある。

VS二宮・辻・犬飼(爆撃)
〇バグワ+メテオラ

ここまでをおさらいすると、
バグワ+シールド
シールド+ハウンド
バグワ+メテオラ
バグワ+ハウンド
これらを観測していたことになる。

これを一般的なトリガー構成である、
メイン:何か・何か・何か・シールド
サブ:何か・何か・バグワ・シールド
に当てはめると、
メイン:何か・ハウンド・メテオラ・シールド
サブ:何か・何か・バグワ・シールド
となる。

このトリガー構成に狙撃トリガーを付け加える場合、「メインにライトニング、サブに鉛弾」と「メインにアイビス、サブにバグワ」は両立することができない。

また、二宮隊の最後の局面(VS玉狛第二初期メンバー)には少々不可解な点があり、千佳ちゃんのアイビスを対策していない節がある。
すでに指摘されているのが千佳ちゃんの狙撃に対する犬飼の防御(切れてる腕+集中シールド)で、これはライトニング単発やライトニング鉛弾には対応できるのだが、アイビスには無力である。
もう一つがそもそもの終盤の二宮隊の布陣で、「開けた場所に三人陣取る」という陣形は、アイビスによる砲撃を対策できない。

ここで考えられるのは、「二宮隊はそもそも"人を撃てる千佳ちゃん"には勝つ気がなかった」という線である。
二宮は試合中「結局、雨取は人を撃てないのか?」という発言をしている。メテオラやハウンドで自分たちが撃たれていたのに、である。
つまり、二宮隊の中では、「狙撃銃で人に弾を当てられる」と、「射手トリガーで人に弾を当てられる」は明確に別の事象なのである。
ハウンドは自動追尾が可能だし、メテオラは広範囲爆撃ができる(人体に命中させる必要がない)、という事情もあるし、東さんもR7後の修に「狙撃と爆撃は違うかもしれないが」と言ってるので、実際そういった「人を撃てないとはどういうことか」に関するより解像度の高い共通認識は、とくに鳩原界隈(?)に広がっていてもおかしくない。他の例では、絵馬の「人を撃てない分析」なんかも挙げられる。

「二宮隊は人を撃てる千佳ちゃんには勝つ気がない」は裏を返すと、「二宮隊は人を撃てない千佳ちゃんには勝たなければいけない」ということになる。要するに、人を撃てないような状態で千佳ちゃんを危険な遠征(選抜試験)に進めるわけにはいかない、とも言い換えられる。

作中の「アイビス対策を切って鉛弾+ライトニング対策をする」という布陣は、そうした二宮(隊)の意志を反映したものだったのではないだろうか。