stoicのポケモンGBAメモ帳(二)

ポケモン第二世代、第三世代について主に考察するブログ。

サンダーパーティの次なる指針 〜サンダーの型を考え直す〜

55サンダー@残飯 雷or10万めざ氷威張る身代わり

一時期は型単位で最強ではないかとも言われ、ここ5年くらいの金銀環境でずっと最前線に立っていたと言っても過言ではない(若干過言かも)いばみがサンダーだが、構築を考えているとどうしても無理な部分が出てくる。

特に重大なものとしては高レベルライコウ+エアブラキなどの組み合わせに対して詰んでいることで、他の編成への強度を維持しつつここを解決する方策が無いという課題があった。
※例えば文鳥さん作のサンダーケンタロスWAに関してはこの欠点は無いものの、対カビパ(特に太鼓カビへの対策)がかなり不安など、他の面で穴が多い。

この他いくつかの課題を解決するため、WAや取り巻きについて色々と検討してきたわけだが、ここに来てサンダーの型そのものを見直すことをまじめに考えた。

■何切る
雷(10万)は役割遂行および決定力に不可欠、めざ氷は草地面に対する決定打(遂行技)、ライコウやハピに対する削りなど考えると汎用性があり、抜けない。とすると威張るand/or身代わりを切ることになる。つまり「いばみがサンダー」から離れることになる。
結論から言うと、身代わりを抜くのが良さそうと判断した。
根拠をいくつかに分けて書いていく。

なお、今回の記事は文脈上、魔人島とかあやほろに書いてある文章に対する揚げ足取りみたいなことになっている。
この点申し訳ないと思いつつも、分かりやすいと思うのでそうさせてもらった。
これまでの(いばみが)サンダー研究やその意義を否定するような意図は毛頭ないことは明記しておく。

以下、サンダーのメイン技は雷を想定する。
10万威張るサンダーについてはサンダーミラーで弱く、素のメイン技で50カビですら四発かかること、残飯サンダーの大きな意義が「優秀なタイプでオート回復しながら超火力の雷をぶっぱできる」ことだと考えているため。
10万いばみがサンダーに関する考察は他の人お願いします。

言語化されているメリットの再検討
言語化されていることは事実のほんの一部分でしかないとはいえ、「いばみがサンダー」に関するメリットについて有名どころから言語化されている部分を抜き出し、検討していく。

①三代目魔人島 我流・個別分析 サンダーの項
http://island.geocities.jp/majinjima/analysis/individual/Thunder.html
運ゲーと言えども身代わりである程度の部分はカバーされ、」→後述
ハピナスライコウイノムーあたりに対しては威張るによる攻撃力UPのデメリットを全く受けない。」→いばる単体で成立
「単体で55食べ残しカビゴンを突破し得る」→いばみがでも怪しい(後述)
「55ガラガラにタイマンで5割以上の有利が取れる」→いばる単体で成立
フシギバナに対して対面からなら完封出来る」→身代わりの明確なメリット。後述

②あやほろ いばみがサンダーのススメ(+続編)
http://d.hatena.ne.jp/undead_princess/20120303
http://d.hatena.ne.jp/undead_princess/20120306
「カウンターサイドンなどが存在するパーティに対しほぼ完全に釘付けされる」→カウンターサイドンにタイマンで勝てる可能性は出るが、釘付けはいばみがでも解消されない。
「捨て身タックルを持っていない(略)遺伝子ケンタロスに対してもほぼ5割近い勝率をとることができる。」→身代わりのメリットだが、そもそも捨て身無し遺伝子ケンタロスは少ない。
「リフレクターや甘えるをすることで55カビゴンの捨て身タックルさえ身代わりを貫通できなくなる」→構築依存。
「55サンダーミラー(略)威張るを使うことで、混乱ダメージが入ると雷2発で倒す」→いばる単体で成立
「食べ残しで2回回復することができれば、雷を2発耐えることができる。」→(いばる+)残飯で成立

・・・といった具合に、身代わりに技スペースを割く明確なメリットは言語化されている中では(環境やその他の研究も加味すると)実はかなり少なく、
フシギバナ等を対面から完封できる」
運ゲーをある程度カバーできる」
に絞られる。
次はこれらを個別に見ていく。

※この記事クソリプ対策が多いが、これらのメリットを大きいと思うならば当然、身代わり採用も全然アリである。パーティ組むのが難しいといっても、下手な型よりは100倍強いのは間違いない。
※僕はこれらがメリットとして弱すぎるとして感じたので、そのことについて書いていく。

■特定キャラの完封性能について
フシギバナ(や、ブラッキーハガネール等)に関してさらに抽象的な言い方をしつつ、身代わりサンダーのメリットをまとめると
「サンダーより遅くて有効打のない状態異常持ちを対面から完封できる」
と書けるが、
・ナッシーやクソカビ、電磁波スターミーなどサンダーに状態異常を入れうる手段が豊富に開拓されている
・状態異常撒きの神髄はサイクル中に交代読みで入れるサポートであること
などを考えると、身代わりは現状、状態異常耐性として全く信頼できない。
※もちろん、これらの事柄がいばみがサンダーの存在に影響を受けているのだけど・・・。
状態異常技を防ぎたいがためにナッシーとか50サンダーの前で身代わりを連打し、いたずらにHPを削っていくサンダーというのもよく見る光景である。

対面完封のメリットに関しては
完全タイマン→威張るのみでもフシギバナブラッキー、有効打無しハガネールあたりには充分有利を取れると思われる。
サイクル→身代わりはローリスク行動と思われがちだが、実のところそのへんのキャラの後ろには身代わり一回くらいは余裕で受け流せる屈強なサンダー受け(残飯カビなど。寝言がなくても。)が控えていることが多く(そうでなくては状態異常サポの意味がない)、その場合の身代わりはローリスクノーリターン行動、事実上負け行動である。
また、サイクルを回す以上、交代読みで状態異常を入れられるリスクは身代わりを持っても常に付きまとう。

ちなみに、身代わりを切ることでサンダーの異常耐性が「あまり無い」から「全く無い」に明確にランクダウンするが、異常耐性は女房役の50カビゴンあたりに任せておけばよいので、あまり気にしていない。

■「運ゲーの緩和」について
ライコウとかイノムーとかに対して身代わりが不要なのは自明なので、ここでは威張るがハイリスク行動となる対カビゴンについて主に考える。
「威張るを絡める際の運ゲーをある程度緩和できる」
これはよく言われることだが、ぶっちゃけ緩和できない。
いばみががうまいこと行って身代わりを残せたとしても、雷が外れるなどで無駄足になってしまうことは結構ある。
まじめに計算すると
「混乱したキャラが一度も自傷できずに混乱解除する」確率は25%弱、しかも威張るは命中9割である。
つまり、威張るで一回以上の混乱に期待するのは、「雷を一発打つよりはマシ?」
という程度の、かなりな不安定行動なのである。さらに言い換えると、うまいこと交代際の身代わりを決め、
「威張るを打って身代わりを残し、それをタテに雷を打つ」
なんていう行動は、そもそも5割程度でしか成功しないのである。
相手が残飯なんか持ってたら本当に悲惨で、こっちはHPが3/16ずつ減っていくのに相手は剣舞状態で身代わりを割りながら1/16ずつ回復していくという、お前は55遺伝子宿木の種カビゴンと対戦しているのかみたいな状態に陥る(しかも、威張るを打ってしまっているのでもう引き返せない)なんてことはよくある。
結局言いたいのは、「威張る身代わりは根本的にあまりにも不安定な戦術である」ということである。
長い間いばみがサンダーを使って対戦してきた実感として、威張るがハイリスク行動になるカビゴンに対し、いばみがを絡めた決定力を検討するのは、よほど他のルートが八方ふさがりになっている状況に限られる。それくらい、可能な限り避けたい行動ということである。

■実戦を踏まえての感覚
上の項で色々と書いてしまったが、補足しつつまとめておくと、いばみがが役に立つのは、
フシギバナ等に対する最後の詰めが安定する
・非常に不利な相手に対して逆転の眼が出る
となるわけだが、実践感覚上、前者はほぼ勝てるときの詰めにすぎず、後者は「遺伝子ケンタが全部動くことに賭ける!」くらいの、ほぼ詰んでるときの蜘蛛の糸のような頼りないものである。

■何を入れるのか
いくつか候補を考えている。

①吹き飛ばし
最有力候補。以下のように非常に用途が広い。
・メインが雷の場合安定しないが、昆布サンダーとしての運用が可能になる
・対カビ突破で危ない橋を渡らずに済む(身代わりを切る=対カビ弱化に対する回答)
・威張るを3回受けて混乱しなくなった相手への仕切り直し
・残飯ターン稼ぎ
・いばみがサンダー全般の穴になりやすいバトンや高速身代わり対策
 (高レベル身代わりキャラは雷サンダーとの対面は強いが後出しは安定しないので、一回引かせるメリットが大きい)

②ドリル嘴
身代わりを抜いて不安定になる草への有効打だが、肝心のライコウに効かないのでイマイチ。

③破壊光線、捨て身タックル、恩返しなどノーマル技
いずれもライコウを混乱込みで突破する可能性がかなり上がり、ハピにも相当強くなれそうだが、他へのダメージがかなり残念。
カビゴンの破壊光線ですら雷を下回る有様なので、有効範囲はとても狭い。

④いわくだき
威張る音レアコイルに近い運用ができるようになり、めざ氷55ライコウはA+6B-6の自傷で確一。
しかし、追加効果発動率が所詮5割だし、司令塔的なサポになりうるとはいえ応用範囲は狭め。

⑤どろかけ
HPを消費せずに3割で本体を守れる身代わりと考えると使えなくもない・・・のかもしれない。
いわくだきと違って追加効果が確定発動なので安定感(!?)はあるが、肝心のライコウ突破にはほぼ寄与しないのでやはり微妙か。

⑥10万ボルトなど、その他の攻撃技
書いてて思ったが、攻撃技のPPを底上げするととりあえずライコウ突破可能性は上がっていくので、ありかもしれない。
寝言ライコウには普通に潰されてしまうが・・・

■(追記)対55ガラについて
検討し忘れたので追記。
http://d.hatena.ne.jp/undead_princess/20120811
「高レベルのガラガラと相対した際、

サンダー:身代わり ガラガラ:岩雪崩

サンダー:目覚めるパワー氷 ガラガラ:岩雪崩

サンダー:威張る ガラガラ:岩雪崩

1,2ターン目で岩雪崩が外れた場合、
2ターン目で目覚めるパワーが急所に当たった場合、
3ターン目で混乱自傷した場合にサンダー側は勝つことができる。
以上を踏まえると6割以上でサンダー側が勝つことができると思われる。」
この中で、身代わりを切ると雪崩外れ待ちが一回(型バレを考慮すると2回)減ってしまうので、対ガラの勝率は結構下がる。
ざっくり計算したところ、
ガラが雪崩雪崩と打ってくると55%程度、
ガラが剣雪崩(型バレ)と打ってくるとほぼ50%、サンダーが勝てるようだ。
ま、勝率が下がるのは間違いないので、ちゃんとガラガラ対策はしよーね!55リボンタンクとかね!(ステマ

<計算>
なおガラが剣打ってくる場合
サンダーめざパ ガラ剣
サンダー威張る ガラ雪崩

サンダーがこのターンまでに負ける率は
めざパ非急所×通常行動×雪崩命中
93.4%*55%*90%=46.233%
実はサンダーが3ターン目に負けるケースも少しあり、
めざパ非急所×通常行動×雪崩外れ×めざパ非急所×行動×雪崩命中
93.4%*55%*10%*93.4%*??%*90% = ??=100としても4.3% 実際8かけ?くらいとして3%強、あとめざパ非急所2発で8%程度、ガラが落ちる
→ほんっっっのちょっとサンダー有利

ガラが雪崩雪崩と打ってくると雪崩外れ(10%)、雪崩命中&急所(6%)が絡んで少し複雑になるが、差し引いてざっくりサンダーがもう少し有利になる

■さらに追記
twitterでレスポンスが色々もらえたのでまとめました
https://togetter.com/li/1088029