stoicのポケモンGBAメモ帳(二)

ポケモン第二世代、第三世代について主に考察するブログ。

不明瞭なタイマン関係

だんだん話が散逸してきたので、一旦まとめておく。
例えば、
サンダー対パルシェンでどちらが有利か?
この問いを間違える人はいないだろう。
しかし実際のタイマン関係はもっと微妙な確率論や、場合によっては双方のPPが絡むことも多く、厳密な計算はなかなか大変である。
いくつか事例をパターン分けした。

<低命中技が絡むパターン>
とくに雷サンダーは最強ポケモン(迫真)のため頻出なのだが、雷の命中がすでに不安定なせいで意外とわかりづらかったり、真面目な計算が敬遠されてることもありそうだ。
だが実際は、雷2〜3発が当たるかどうかの短いターンでカタがつくことが多いので、その気になると意外と簡単に計算できる。
(少なくとも、次に挙げるような超長期戦よりはだいぶやりやすい)

例1:55残飯サンダー@雷 対 55奇跡ゲンガー/フーディン@冷パン
サンダー側としては、雷を2回当てれば勝てる。
雷を1回外してしまうと、冷パンで先制3発なので雷3回目を試行するチャンスはなく、即死してしまう。
この時点でサンダー側は勝率が高々49%しかない=不利、ということになる。
さらに細かい要素としては、
・ゲンガーに有利な事象:冷パンの急所凍結×2回
・サンダーに有利な事象:初手雷急所(かつ命中かつ凍結一回回避)
があり、明らかに前者の方が確率的には大きいので、やはりゲンガー有利は揺るがない。
フーディンの場合、再生と雷の外れ待ちが絡むのでもっと複雑・・・?なんてことはない。
ゲンガーとほぼ全く同じ計算により、単純に冷パンを連打していればフーディンが有利となる。

例2:55残飯サンダー@雷 対 55奇跡バクフーンエンテイ@晴れ文字
同速、さらに晴れによる命中率変動や文字命中などもあり厄介に思われそうだが、
炎側は晴れ文字文字と動くので、初手の先手・後手を分けて整理すると意外と単純である。
途中経過は省略するが、バクフーンの場合は雷2発で高確率で倒れるせいで、ほぼ互角となる。
エンテイの場合雷をほぼ2耐えする、という事象が加わり、一方で晴れ文字で倒しきれないこともあるが、両者を加味したうえでエンテイ側が有利となる。

<超長期戦となるパターン>
これは、PP戦にまでもつれ込むので、単純に計算が大変である。

例:55リボンミルタンク@恩返し分身鈍いミルク飲み 対
55リボンポリゴン2@恩返し冷凍鈍い再生
PPで勝っていて先に悪あがきに追い込め、冷凍凍結の線もあるポリ2が有利・・・?と思いきや、実はそうでもない。
ミルタンクの恩返し64~76+恩返し急所127~150 で、191~226/209となり、半々近い確率で倒されてしまう。
この展開を避けるためには、ポリ2はかなり頻繁に再生回復を挟む必要が出てくるため、このタイマンは実はミルタンクにも十分にチャンスがある。
細かい計算は、前蟹さんとしたことがあるのだが、途中で面倒になって諦めた。(ア)
一応抜粋すると、
・冷凍で凍結引けばポリ2が勝ち、
・凍結回避したら65%ぐらいでタンクが勝ち、
・そこをしのいで35%引けばほぼポリ2が勝つ。
らしい。興味ある人は計算してみてください。

<実戦上の運行とタイマン関係に食い違いがあるパターン>
これは、計算が困難というよりも「誤解されやすい」という、考えようによっては一番厄介なパターン。
実戦感覚とタイマン性能の乖離がなぜ起きるかというと、試合の勝利とタイマンでの勝利はイコールの概念でないからである。
これがうまく噛み合った場合は、「タイマンで勝てないが、役割遂行ができる」というパターンで、タイマンでは勝てないが対策としてカウントできるなんてこともある。
ありがちな事例はパルシェンカビゴンとかであるが、爆破が絡むとまた別の側面が出てくるので、今回はエアームド中心に書いておく。

例1:55ガラガラ 対 エアームド
先日の記事でも書いたが、これ実は完全タイマンだとガラガラが意外と勝てるケースが多い。

派生例1 カビゴンエアームド 対 55ガラガラ
このとき、「ガラガラにタイマン勝てないエアームド」はガラガラ対策とならない。
エアームド剣舞を積んで突破した次のターンに、剣地震によってカビゴンの即死が確定しているからである。
書いていて思ったが、昔からよくいわれる「カビパは穴が残りやすい」というのはたぶんこれが関係しており、他の素早いエースと比べると、どうしてもカビゴンがタイマン勝てない相手(これが少ないのは良いのだが)に対する対策レベルを相当高くせざるを得なかったり、麻痺を撒く必要があったりするのだろう。

派生例2 ライコウエアームド 対 55ガラガラ
ライコウエアームドもガラガラにタイマンでは勝てない(型だったとしよう)。
だがこのときは例1と異なり、エアームドはガラガラをライコウのめざ氷圏内に追い込めば、負けてしまっても構わないので、
「ガラガラにタイマン勝てないエアームド」もガラガラ対策になりえる。

例2:55骨ガラ@めざ虫 対 50ナッシー@サイキネ眠り粉
ナッシーはガラガラに1回でも動かれると負けるので、
眠り粉 ぐう
サイキネ ぐう
サイキネ ぐう
サイキネ ガラ死亡
としないといけない(サイキネ急所で短縮できることもある)
とすると、単純計算で75%*50%(ぐうぐうを3−4ターン引く場合)=37.5%となり、ガラガラが有利である。
これもエアームドと同様、実戦での役割感覚とはまた違った結果となる。
なおナッシーがめざ草持ちの場合2ターンでガラガラを倒せるので、75%*75%(ぐうぐう2-4ターン)で>50%となり、ナッシーが有利となる。

追記:
55バクフーン@奇跡 晴れ文字雷パンチ 対 50スターミー@奇跡 波乗り電磁波再生
これも、タイプ相性とか素早さ関係から一瞬「スターミー有利?」と思いがちだが、
実はバクフーン有利である。

初手行動としては、晴れ読み電磁波読み雷パンチ読み波乗り読み晴れ・・・となるが、それぞれの場合で、

晴れ・電磁波→☆がだいたい勝つ(超ざっくり80%くらいか)
 →晴れ電磁波(奇跡)
  雷パンチ電磁波
  自己再生雷パンチ ×n (痺れ待って波乗りで攻める)
晴れ・波乗り→バクフーン75%(CH談)
 ・初手先制日本晴れ決まればほぼ勝ち→この時点で約5割
 ・初手で同速負けしても最後のターンに先制雷パンチ入ればほぼ勝ち→更に約5割
雷パンチ・電磁波→バクフーン勝ち
 →次ターン雷パンチ当ててほぼ終了
雷パンチ・波乗り→バクフーン50%(これが偉い)
 →次ターンの同速ゲー

となり、
バクフーンは雷パンチを撃っていれば☆の選択によらず5割確保でき
・もし雷パンチ読み波乗りをされても50%担保出来て、なおかつ波乗りが読めればさらに勝率が上がる
となって、総合的にバクフーン有利な拓ゲーとなる。