瀕死率計算機を使ってタイマン勝率を計算してみた (例題:雷サンダーVS雪崩メタグロス) ※6/17大幅修正
6/17追記:計算過程に間違いが見つかった(後述)ので結果を修正した。
この間違いはptrstさんが開発したAIstoicの計算結果との照合に基づく計算過程の検証から発見できた。
Special thanks(敬称略): ptrst、AIstoic
サンダーの雷・10万の話にからんでもともと気になっていた雷サンダー対雪崩メタグロスのタイマン勝率を計算する方法を思いついたので、計算してみた。
この計算にはサナギさんの瀕死率計算機およびエクセルを用いた。
Calm Mind +2: 瀕死率計算機β ver2.2
瀕死率計算機の使用にあたり、桁数は10とした。
サンダーはとにかく雷を打つ。
メタグロスはとにかく岩雪崩を打つ。
という前提で、最大5ターン殴り合った場合*1の勝率を考えた。
サンダーとメタグロスの配分組み合わせは
「雷でメタグロス確定2発」「雪崩でサンダー確定2発」「サンダーが常時先制」
という条件で考えた。実戦的な例としては、
控え目CSサンダー@ラム 対 意地HAオボンとか意地HAラムとか意地HDラムとか
だとか、
控え目HCサンダー@ラム 対 意地HAメタグロス@オボンとかラムとか鉢巻とか
みたいな感じになる。*2

結論だけ読みたい人向け
メタグロスに麻痺耐性があるときとないときで、5ターン殴り合った時の勝率は以下のようになった。
この計算結果は命中率、急所率、追加効果発動率を考慮している。
雑感
案外サンダーの勝率が高い。これは雪崩の命中率の低さが効いている。あと、<麻痺耐性の有無がそこまで効かないこともわかった。
なお、サンダーは眠るカゴ/ラムや身代わりでの遅延を挟むことで、雪崩の三連(以上)命中を強要して勝率をもうちょっとだけ上乗せできる。
一方、グロス側は例えば爪を持つとめちゃくちゃ計算が複雑になるが、雪崩怯みによるサンダーの雷の実質命中減*3だったり、雷一撃圏内からの逆転を期待できるので、だいぶ勝率が上がりそうだ。
以下にこの計算の詳細を記述するが、「条件付き確率」という概念が多用される。
条件付き確率 - Wikipedia
条件付き確率とは何かというと、
「コインを2枚投げて、少なくとも1枚が表であるとき、2枚とも表である条件付き確率を求めよ」
みたいなやつ。
ちなみにこれの答えは1/3である。
基本編:麻痺を考慮しない
いったん初手雷麻痺を考慮しない状況を考える。
先攻 サンダー@持ち物無し 雷 例えば控え目CS振り
後攻 メタグロス@ラム 岩雪崩 例えば意地っ張りHA振り
実戦例はこんなかんじ。
相互に確定2発、雷70、雪崩90という命中率および、急所率を考慮したとき*4、瀕死率計算機を回すとサンダー→メタグロス、メタグロス→サンダーの瀕死率は以下のように出力される。
先攻サンダー→メタグロス
HP:187/187
攻撃ダメージ:600~710
平均:655
瀕死率(生存率)
1発以内:4.375000000%(95.62500000%)
2発以内:51.62500000%(48.37500000%)
3発以内:79.58125000%(20.41875000%)
4発以内:92.10250000%(7.897500000%)
5発以内:97.09918750%(2.900812500%)
後攻メタグロス→サンダー
HP:165/165
攻撃ダメージ:560~660
平均:610
瀕死率(生存率)
1発以内:5.625000000%(94.37500000%)
2発以内:82.12500000%(17.87500000%)
3発以内:97.36875000%(2.631250000%)
4発以内:99.65250000%(0.3475000000%)
5発以内:99.95681250%(0.04318750000%)
ここから勝率を求める
上記の数字は相手が棒立ちしている前提での瀕死率であり、勝率とは異なる。
この結果は「〇〇発"以内"」なのが素晴らしく、単純な引き算によって、相手が棒立ちしている前提での、「ちょうどn発目で倒せる確率」は簡単に求めることができる。
たとえばサンダーの雷ちょうど2発目でメタグロスを倒せる確率は47%ちょいである。*5
瀕死率計算機と簡単な引き算で計算できる、「ちょうどn発目のサンダーの攻撃で倒せる確率」というのは、実際の試合展開に読み替えると、「nターン目のサンダーの行動開始時に試合がまだ続いているという条件下における、nターン目のサンダーの行動で試合が終わる条件付き確率」である。
~~6/17追記~~
ここの考え方が誤っていた。
「nターン目のサンダーの行動開始時に試合がまだ続いているという条件下における、nターン目のサンダーの行動で試合が終わる条件付き確率」
は、瀕死率計算機のn発目の結果をP(n)とおくと、P(0)=0として、
P(n-1)<1のとき、(P(n)-P(n-1))/(1-P(n-1))
P(n-1)=1のとき、0(※本来、P(n-1)=1のとき、nターン目のサンダーの行動開始時に試合が続いているという条件の確率が0なので、一般的に条件付き確率を定義できない。計算の便宜上0とおくが、計算上は、0から1のどの値をとっても、結果には影響しない※どうせn-1ターン目に必ず試合が終わっている、ということなので)
と表現できる。
~~追記ここまで~~
したがって、この確率に、「nターン目の先攻/後攻の行動開始時に試合がまだ続いている確率」をかけてやれば、「nターン目の先攻/後攻の行動開始時まで試合が続き、かつ、nターン目の先攻/後攻の行動で試合が終わる確率」を求めることができる。
条件付き確率の話でいえば、
P(B)は「nターン目のサンダーの行動開始時に試合がまだ続いている確率」
P(A|B)は「nターン目のサンダーの行動開始時に試合がまだ続いているという条件下における、nターン目のサンダーの行動で試合が終わる条件付き確率」
P(A∩B)は「nターン目のサンダーの行動開始時に試合がまだ続き、かつ、nターン目のサンダーの行動で試合が終わる確率」
P(A∩B)=P(A|B)×P(B)
こういう感じ。
同様なことが、サンダーをメタグロスに読み替えても成り立つ。
んで、「nターン目の先攻(後攻)の行動開始時に試合がまだ続いている確率」は瀕死率計算機の結果を使い、以下のように簡単に求めることができる。
n=1、先攻→1 (100%。以下同) *6
n=1、後攻→1-先攻1発目による瀕死率 *7
n=2、先攻→上記の確率×(1-後攻1発目による瀕死率) *8
n=2、後攻→上記の確率×(1-先攻2発目でちょうど瀕死になる率)*9
n=3、先攻→上記の確率×(1-後攻2発目でちょうど瀕死になる率)*10
・・・(以下略)
詳しい計算式は飛ばすが、これらのパーツを使って、「あるターンにサンダーが行動でき(すなわち、その直前まで試合が続き)、かつその行動で試合が終わる確率」を各ターンについて足し上げて、サンダーの勝率とする。一方で、「あるターンにメタグロスが行動でき(すなわち、その直前まで試合が続き)、かつその行動で試合が終わる確率」を各ターンについて足し上げて、メタグロスの勝率とする。この2つを100%から引いた残余は、瀕死率計算機の計算範囲である5発(5ターン)以内に決着がつかなかった確率(非常に低い確率だが、クソ外ししまくると5ターンたっても試合が終わらないことがある)になる。これを求めると、以下の様な結果になる。
サンダー勝率 57.21338099 %
メタグロス勝率 42.78661901 %
5ターンで終わらない確率 1.44169E-10 %
~~6/17追記~~
修正後の結果は下記の通り
サンダー勝率 54.31119607 %
メタグロス勝率 45.68755114 %
5ターンで終わらない確率 0.001252788 %
~~追記ここまで~~
応用編:麻痺を考慮してみる
次にサンダーの雷麻痺の可能性も考慮してみる。
先攻 サンダー@持ち物無し 雷 控え目CS振り
後攻 メタグロス@オボン 岩雪崩 意地っ張りHA振り
例えばこんな状況。
麻痺を考慮する場合でも、の命中という事象が2回発生した時点でサンダーの勝利(という個体関係を想定する)なので、雷が最初に命中するときに麻痺した(3割)、麻痺しなかった(7割)のような分岐を考えればよい。
ケース1:最初に当たる雷で麻痺しない
この条件となる*11確率は70%。
この条件下における試合結果の条件付確率(サンダー、メタグロスが勝利する、条件付確率)は基本編で計算したのと同じ。
先攻の条件付勝率 57.21338099
後攻の条件付勝率 42.78661901
5ターンで終わらない条件付確率 1.44169E-10
~~6/17追記~~
修正後の結果は下記の通り
先攻の条件付勝率 54.31119607
後攻の条件付勝率 45.68755114
5ターンで終わらない条件付確率 0.001252788
~~追記ここまで~~
ケース2:一発目の雷が当たって麻痺する
この条件となる*12確率は21%。
この条件下における試合結果の条件付確率(サンダー、メタグロスが勝利する、条件付確率)を求めるとき、
サンダー側の攻撃は命中率が100%、70%、70%、70%、70%
メタグロス側の攻撃は命中率が67.5%、67.5%、67.5%、67.5%、67.5%
と考えればよい。
この条件下で、基本編と同様に5ターン勝率を求めると、*13
先攻の条件付勝率 82.99653851
後攻の条件付勝率 17.0034613
5ターンで終わらない条件付確率 1.9135E-07
~~6/17追記~~
修正後の結果は下記の通り
先攻の条件付勝率 80.8445865
後攻の条件付勝率 19.12582154
5ターンで終わらない条件付確率 0.029591961
~~追記ここまで~~
ケース3:一発目の雷は外し、二発目に撃つ雷は当たって麻痺する
この条件となる*14確率は0.3*0.7*0.3=6.3%。
この条件における条件付き確率(サンダー、メタグロスの条件付き勝率)を求めるとき、
サンダー側の攻撃は命中率が0%、100%、70%、70%、70%
メタグロス側の攻撃は命中率が90%、67.5%、67.5%、67.5%、67.5%
と考えればよい。
この条件下で、基本編と同様に5ターン勝率を求めると、
先攻の条件付勝率 30.62088274
後攻の条件付勝率 69.37911445
5ターンで終わらない条件付確率 2.81034E-06
~~6/17追記~~
修正後の結果は下記の通り
先攻の条件付勝率 33.26229897
後攻の条件付勝率 66.68900854
5ターンで終わらない条件付確率 0.048692488
~~追記ここまで~~
ケース4:一・二発目に撃つ雷は外し、三発目に撃つ雷は当たって麻痺する
この条件となる*15確率は0.3*0.3*0.7*0.3=1.89%。
この条件における条件付き確率(サンダー、メタグロスの条件付き勝率)を求めるとき、
サンダー側の攻撃は命中率が0%、0%、70%、70%、70%
メタグロス側の攻撃は命中率が90%、90%、67.5%、67.5%、67.5%
となる。この条件下で、基本編と同様に5ターン勝率を求めると、
先攻の条件付勝率 1.792675848
後攻の条件付勝率 98.20731961
5ターンで終わらない条件付確率 4.53819E-06
~~6/17追記~~
サンダー側の攻撃は命中率が0%、0%、100%、70%、70%
メタグロス側の攻撃は命中率が90%、90%、67.5%、67.5%、67.5%
となる。この条件下で、基本編と同様に5ターン勝率を求めると、
先攻の条件付勝率 5.79764125
後攻の条件付勝率 94.13362897
5ターンで終わらない条件付確率 0.068729782
~~追記ここまで~~
ケース5:ケース1234いずれにも該当しないもの。
例えば、一、二、三発目に撃つ雷は命中0%、四発目の雷が当たって麻痺する、などである。
この条件となる*16確率は1からケース1~4条件となる確率を引いて、0.81%。
このような条件において、
サンダー側の攻撃は命中率が0%、0%、0%、100%、70%とか、0%、0%、0%、0%、70%
を想定すればいいのだが、さすがにサンダー側の勝ち目(このような条件のもとでの、条件付勝率)が薄すぎるため、簡単に
先攻の条件付勝率 0
後攻の条件付勝率 100
5ターンで終わらない条件付確率 0
としてしまう。
ケース1の条件付勝率*17に0.7
ケース2の条件付勝率に0.21
ケース3の条件付勝率に0.063
ケース4の条件付勝率に0.0189
ケース5の条件付勝率に0.0081
をかけて足し上げると、
先攻勝率 59.44163697
後攻勝率 40.55836273
5ターンで終わらない確率 3.03108E-07
~~6/17追記~~
先攻勝率 57.19...
後攻勝率 42.78...
5ターンで終わらない確率 0.011....
~~追記ここまで~~
となる。
複数の近似的計算(麻痺雪崩の命中率およびケース5の想定)をしているため有効数字を厳しくみて、
先攻勝率 59 %強
後攻勝率 41 %弱
~~6/17追記~~
先攻勝率 57 %強
後攻勝率 43 %弱
~~追記ここまで~~
を結論とする。
後書き
条件付き確率などについて、考え方の間違いなどあればコメント欄で指摘いただけると助かります。

アイキャッチ用。
出典:あのりすチャンネル
*1:瀕死率計算機の計算上限が5発だったため
*2:もっと言うと、「サンダーの10万、めざ炎、メタグロスのシャドボや雷パンチや恩返しなどなど、相互に雷・雪崩よりも状況次第で有効打となりえる技を持たない(コメパン、地震はこの盤面において雪崩以上の有効打となりえないので持っていてよい)」「どちらも影分身、光の粉、ピントレンズなど確率操作技やアイテムは持っていない」「お互いに残飯は持っていない」「ヤタピやチイラは持っていない」「お互いに、身代わりや眠る(サンダー限定)での外れ待ちをしない」などなど、細々とした条件は沢山ついている。
*3:単純に考えて、爪発動かつ雪崩命中かつ怯みの確率が5%くらいある
*4:この条件下では、追加効果は考慮してもしなくても結果が変わらない
*5:1発目の雷急所の分が引かれ、1発目外し&2発目急所の分が足されるので、単純な二連命中率49%からずれる
*6:1ターン目先攻開始時には、必ず試合が続いている
*7:先攻1発目で後攻が瀕死にならなければ、1ターン目後攻開始時に試合は続く
*8:上記かつ、後攻1発目で先攻が瀕死にならなければ、2ターン目先攻開始時に試合は続く
*9:上記かつ、先攻2発目で後攻が瀕死にならなければ、2ターン目後攻開始時に試合は続く
*10:略
*11:サンダーがそういう挙動をする雷を掴まされる
*12:サンダーがそういう挙動をする雷を掴まされる
*13:瀕死率計算機において、命中率が整数しか受け付けない仕様があるため、今回は近似的に、麻痺雪崩の命中率を67%と68%の二通りで計算し、それぞれから算出された勝率の平均を取った。ケース3、4でも同様。
*14:サンダーがそういう挙動をする雷を掴まされる
*15:サンダーがそういう挙動をする雷を掴まされる
*16:サンダーがそういう挙動をする雷を掴まされる