stoicのポケモンGBAメモ帳(二)

ポケモン第二世代、第三世代について主に考察するブログ。

蟹杯6使用構築&構築コンセプトの発展的解体について

先週開催された蟹杯6には、過去一年間の自分の勝率を集計してみて最も好戦績だったポニョベースの爆破速攻(タンスTA系列)で出た。
結果は3戦のスイスドローで2敗1不戦勝。(ダメじゃねーか
優勝したyasuさん、テリーさんをはじめとして、自分の構築を含めて面白い傾向があるかもねという話が出たので今回は主にその辺について書いて行こうと思う。

<自分の使用構築(簡単に)>

55リボンミルタンク@恩分身鈍いミルク 汎用エース。サブ技はいろんな相性を誤魔化して判定勝ちに持ち込むセンが生まれる分身を採用した。
55奇跡バンギ@雪崩地震文字爆パン ライコウサンダーパに刺す。採用理由から技が4枠埋まる。ゲンガーより発動機会が多いと思ったので奇跡持ち。
55麻痺ゲンガー@シャドボ冷パン10万爆パン 寝言カビパ等に刺す。わんおーセミフルカビパ理論でカビのサブ技が割れ、扱いやすいと思っていた。
50残飯カビ@のし地震鈍い自爆 いつもの。
50黄金ナッシー@サイキネ宿木眠り粉爆破 いつもの。
50薄荷スイクン@波冷凍毒眠る 今回の工夫枠(次の話につながる項目)。対バンギエア、対地面、対炎、ヘラリキーなど。

<皆の使用構築>
ここからが本題になるが、皆の構築を並べてみた。

<1日目> 並び順 変え まし
stoic 55バンギラス 55ミルタンク カビゴン ナッシー スイクン 55ゲンガー
タケシさん 55バンギラス 55サンダー カビゴン フシギバナ スイクン フォレトス
フェイリスさん 55ゲンガー 55ライコウ カビゴン マルマイン ヘラクロス 55ガラガラ
べきお氏さん ツボツボ 55サンダー カビゴン パルシェン スイクン ナッシー
ドラゴンサマーさん 55ペルシアン 55ピカチュウ カビゴン パルシェン マルマイン ナッシー
yasuさん(2日目も) 55バンギラス 55ミルタンク カビゴン ナッシー フシギバナ ムウマ
255さん(2日目も) 55バンギラス 55ライコウ ガラガラ スターミー メガニウム エアームド
<2日目> 並び順 変え まし
テリーさん 55バンギラス 55サンダー カビゴン パルシェン フシギバナ ムウマ
ドラゴンサマーさん 55フーディン 55ファイヤー カビゴン パルシェン スイクン サイドン
タケシさん 55バンギラス 55サンダー カビゴン ナッシー スイクン フォレトス
フェイリスさん 55カビゴン マルマイン ピクシー ナッシー フシギバナ ムウマ
CHさん 55ギャロップ 55ミルタンク カビゴン ファイヤー スイクン ブラッキー
117さん 55カビゴン 55ミルタンク ブラッキー ガラガラ スイクン ムウマ

こう並べると、5枠目と6枠目に顕著な傾向が見て取れると思う。
パーティづくりは各人がそれぞれの考えを持っているものではあるが、傾向を僕なりに解釈すると

1.ミルタンク環境の進展としてノーマル耐性(とくに50レベル)の採用率が高くなっている
 ☆バンギを採用した構築にノーマル耐性が必ずもう一体いる

 →バンギで対応しきれないノーマル→爆パンや地震タンクへの対応であると解釈できる。
2.バンギへのマークがきつめ
 ☆フシギバナスイクンヘラクロス、、、などがいろんな構築に採用されている

3.55鈍いカビゴンがいない
これらのが目立つ。
しかしKPを見ると不思議なのだが、こういったキャラは実は、
単に「少なかったのが増えた」というわけではない。2017年のKPと比べてみても、例えばバンギ対策枠の中での配分の差なんかはあるが、大局的な採用率は変化ない。
(今回は13サンプルしかないし、数字の細かい変化には詳しく突っ込めないのもあるが・・・)

では何が起きている/あるいはどのような傾向を見出せるだろうか。
「ノーマル耐性枠」や「バンギ対策枠としての水ポケ等」
こいつらは、これらが実際に穴になりやすいカビゴンパーティ(とくにキチカビ等)に採用されやすい。
数年前「カビゴンの型によって構築を分類する」という試みをしたことがあるが、実際にカビゴンパーティには
・相性補完としての特殊ポケモン
・高レベルノーマル対策枠
のようなものが存在していた。

今回面白いのは、55クソカビ、55太鼓カビなどはいるものの
55鈍いカビゴンを誰も使っていない状況下で、
主な職場が55鈍いカビパだったノーマル耐性/バンギ対策特殊ポケが普通に使われている

ということである。

最近、50カビパ、55カビパの研究がそれぞれ進んで先鋭化していく中で、

<自爆 ←
(典型的なのはサンダーパ、バンギパ、ライコウパ、爆破速攻パで、50寝言カビゴンパも最近はこちら)

<55鈍い ←
(典型的なのはキチカビやドラサマ爆パンカビパ)

こんな具合で、それぞれのコンセプトの研究が進む途上で分化がかなり進んでいた。
それぞれの研究が抽象化されていくと割と起こりがちな現象で、これはこれでいいのだが、
分化が進みすぎ、それぞれのコンセプトの選択肢が狭まり若干行き詰まるような状況に至ってしまったような感もある。

これらを踏まえると現在、各コンセプトの進展、抽象化がひと段落ついて、その解体や再構築のフェーズに入ってきていると見ることができる。
※もうちょっと前からの話だと、ナッシー@キチカビ、タケシさんのスイクン@バンギパ、モーダルバンギ2など。
55鈍いカビゴンの不在とあわせて、

50自爆カビパの典型的サポメンの解体・再構築あるいは
55鈍いカビパのエースの解体・再構築が起きている

と捉えることが出来るかもしれない。

何か話が散漫としてきたので強引にまとめよう。
エースとサポートの選定を両方シャッフルして新たなことが色々と実践される
・・・という状況の端的な例が、今回の大会の使用構築に表れているのだと思う。
これ自体は常に起こっていることで、今後もこの試行錯誤は続くだろう。
その結果として
「この組み合わせ固定観念で使ってなかったけど実はめっちゃ強いじゃん!」
もあるだろうし、
「やっぱりこの組み合わせが結局強いんだよなぁ〜」
となることもあるだろう。
どちらに転ぶにしても今後が楽しみである。
こういった試行錯誤は、キャラプールが現実的に限られる金銀ではやむを得ずそうなる反面、それこそが面白い!というポイントである。
キャラプールが現実的に100体くらいしかいない環境でも、二体の組み合わせは一万通りあるのだ。