stoicのポケモンGBAメモ帳(二)

ポケモン第二世代、第三世代について主に考察するブログ。

オーレコロシアム国際親善試合 "VGC 2005" International Friendly 使用構築

GBAダブルバトルの国際親善試合に日本代表として参加した。

参加経緯

9月頃にポケモンオタクとキャンプ行った際てるるさんに「オーレコロシアムというルールでSDの大会があるんだけど出てみないか」と言われてオーレコロシアムの存在を知った。
オーレコロシアム(Orre Colosseum)というルールは「レベル100でやる(=バンギカイリューも使える)05ダブル」と言えばほぼ間違いない。
SDでちょっと対戦してみた感じ、けっこう面白いルール&05の経験もちゃんと活きる感じでなかなか良い。
ただ欧米の人たちが中心にやっているため、大会(オーレカップ10=OCX)開始時間が0500JSTという設定で、寝坊しそうだなーと思っていたら、案の定寝坊して出場できなかった(ごめんなさい)。
その後てるるさんが海外側と色々調整をしてくれて、「2200JSTから」という日本人にとって非常に有難い時間設定で日本側5人VS日本以外5人親善試合をやることになり、日本側のメンバーに入れてもらった。

Orre colosseum環境考察

Orre Colosseumについての基本情報はこちら。05ダブルとの最大の違いはレベル100戦であるところで、ライコウの噛み砕く、メタグロスの高速移動など、高レベル習得技が解禁されている、100レベル戦なのでオボンが弱い、などの違いを生んでいる。キャラとしてはバンギが使えるのが目を惹く。しかし!バンギは600族だしこの時代唯一の天候特性持ち(しかも永続)で超強そうに見えるが、実のところ別にめちゃつよではない。*1
でも、バンギの存在感のおかげで色々と環境が回って面白い。結局ラティグロスが強いんだけど、バンギ倒せるポテンシャルのあるいろんなキャラがグロスに割と強かったりもする。たとえばラグラージ。たとえばガラガラ。たとえばサイドン。このへんの存在がいろんな草水にワンチャンを作り、それにラティはやっぱり強かったりして、バンギグロスが・・・という感じで環境の良い循環が生まれる良ルール。ちょっと違うかもしれないけど、バンギはGBAシングル環境でいうエアームドみたいな、そんな感じ。めちゃつよじゃないし、決してKPも高くないけど、環境への影響はデカい。

構築経緯

出発点はこれ。05で最後に使ってた構築であり、ヌケニンでほぼ詰んでるパーティ*2をそこそこ観測したこと、バンギは上記の通り大して存在しないだろうこと、一方でヌケニンへの立ち回り*3が確立していないであろうこと、格上相手にワンチャン掴むにはエクストラウィンポケモンが有効であろうと思ったこと、などが採用理由である。
というわけで、
@1

まずここから。ウインディヌケニンだとちょっとバンギに弱すぎかなと思って一旦抜いてみる。バンギグロスに強い陽気ASグロスを硬いラティアスでサポートし、なんか環境に多いゲンガーや変な炎地面を倒せるスターミーまでは確定でよさそう。@1をケンタロスウインディ、サンダー、ニョロボンラグラージヘラクロスなどかなり直前までいろいろと迷走した。で、あるところで小手先の相性補完にとらわれずにキャラランクが高いキャラ同士でぼんやりと補完を意識すればいいんじゃないか、という考えに切り替えた。特にキャラランクが高いキャラの中でも、
「得意な相手が多くて苦手な相手/状況が少ない」
というキャラを揃えることを意識した。その典型的な例はメタグロスだったりケンタロス。こういうキャラは、まず有利な(殴り勝てる)相手が多く、苦手な(とくに一撃だったり先制2発だったりで倒される)相手が少ない。こういうキャラはびみょ~~に相性補完ができている*4ことが多く、これを並べていけば「構築の全員が苦手な相手」というのは細かい相性補完を考えなくても必然的にすごく減るはずである。さらにヌケニンによるエクストラウィンを加えれば、「全体として苦手、かつヌケニンを倒せる相手」以外には有利ということで、かなりの相手に有利に戦えると考えた。
で、そういうキャラの組み合わせを考えたとき、
カビサンダー→威嚇枠がいなくて対物理ダメそう。
カビケンタ→ケンタを鉢巻とすると地震を打ちにくい、というのも加味し、対グロスが窮屈すぎそう。
ケンタサンダー→カビゴン抜くと対特殊少し怪しいけど縛られるわけじゃない。対炎、岩などヌケニンとの補完も悪くない
ということでケンタサンダーに決定。あとは当日に調整、親善試合観戦通話しながら色々なアイデアを吸収したり自分の考え方を整理し、スナドリ戦2戦目あたりで全体を固めた。

パーティ概要

ヌケニン@ラム シャドボ・めざ格・毒・守る 意地AS
ラティアス@クラボ ドラクロ・威張る・こご風・守る 臆病HBS
メタグロス@キー コメパン・地震・守る・大爆発 陽気AS
スターミー@ピント ハイドロ・サイキネ・冷凍・守る 臆病CS
ケンタロス@鉢巻 光線・捨て身・地震・めざ霊 陽気AS
サンダー@残飯 雷・めざ氷・見切り・身代わり 控え目CS

pokepast

全体としては、ヌケニンでの詰ませルートをちらつかせながら、高性能高速ポケモン×5体で
ノーマル/鋼/ドラゴン/氷+地面、水+ノーマル、氷+電気
あたりの、2体並べて色々攻撃的な補完を取れるパーティになった。
ヌケニンへの打点が多いパーティはキャラの性能が下がる傾向があり*5、そうした相手には残り5体で上から押し込むような構図を作りたい。
砕くライコウ、バンギ、相手のヌケニン(こっちからの打点がほぼ無い)あたりが弱点と思われる。
面子は結局柏スタンからカビゴンヌケニンになっただけ。*6

ヌケニンシャドボ守るは確定。無振りゲンガー1発、無振りラティオス中確率1発。残り2個、元構築では音あやぴかだったが、音あやぴかの仮想敵のひとつであるレジスチル構築はまず存在しないだろうこと、カビゴンって冷静に考えて9割9分脂肪だよねと思い、サイクル参加技を毒にした。めざ格はヌケニンに威張ラムする場合とか考えると良さそうだ。ラムはグロスに回してチーゴ持たせて味方電磁波で鬼火毒耐性・・・とか一瞬頭をよぎったのだが、そういう「うまぶり」コンボを構築段階から考えるのは絶対違うと思って却下。そもそもゲンガーの鬼火搭載率大して高くないし。

ラティアスラクロは攻撃範囲が一番広い。威張る守るはグロスと並べる際に必須。S操作技は結局こご風にした。ヌケニン以外の全員がまぁまぁ速い*7ので電磁波の必要性は低い、とするならスリップダメージがあって相手2体に効き、耐性持ちもほとんどいない風でいい。グロスには風が効かないがヌケニン以外全員がグロスより速い。★ケンタサンダーあたりより速いやつはラティを倒すのに2~3ターンかかるので、その間に風を撃ち込める。耐久はケンタロスの鉢巻光線耐えまで振り、そうすると最速にできないためSを100族抜きにしている。これにより味方ケンタロスと一緒に範囲攻撃を打つ際に行動順が確定するという地味なメリットがある。100族抜きより下げるとさすがに対サンダーが不安定になる。

メタグロスミラー最強な陽気最速型。ヌケニンもいるしめざ岩個体値にもできないので自動的に大爆発持ち。対サンダーしんどめになるが、風威張るラティアスは経験上サンダーに相当強い(相手サンダーに威張るを打ったり)ため問題なし。身代わりサンダーがちょい少なめ、ラグサイドンあたりの関係でめざ草持ちがけっこういる(→ラティで相手しやすい)のもある。

スターミー:グロスバンギ岩地面を殴るハイドロ、ゲンガーを倒すサイキネ、守るは確定。ハンター戦でNnico Iosiが使ってたペルシアン+スターミーという高速ポケモン2体が急所とか催眠命中の上振れで大暴走してるのを見て「やっぱ高速ポケモンが上から殴るのって正義だな」と思って、ピント持ち、上振れた際に最強な冷凍ビームを搭載*8。冷凍持たせてHPに60くらい?振ると10万ラティオスに勝てたりしてもっと強そう。他の候補としては、10万、電磁波あたりを考えていた。こご風も強そう。

ケンタロス型は説明不要。僕より05ダブル経験豊富なはずのハンターくんに「ケンタ対策どうしてる?」って聞かれたのでやっぱりコイツが最強キャラでいいと思う。

サンダー:高速キャラでどんどん削った後の詰め手段として、ヌケニンの他にまもみが残飯サンダーを用意、みたいなイメージ。この2体はどっちも爆破に強めなのもよい。柏スタンで採用されていたHS身代わり型のサンダーは中盤の単発火力の圧力がなくてなんだかなーと思っており、圧力をおもくそ高めるC特化雷持ちにしてみた。パーティ公開した際に「Thunder Zapdos!?!?」みたいな感じでけっこう外国人から突っ込まれたのだが、雷の火力面での明確なメリットとしては、
・無振りケンタロスゲンガーを1発(ケンタロスは高確率、ゲンガーは確定
・HBほぼ特化バンギラスをケンタ地震+雷でだいたい落とせる
あたりがあり、やはり圧力は凄い。あと、せっかくなので雷サンダー使いたかった、というのも正直あるのだが、真面目な話、今回の親善試合は圧倒的に経験豊富な格上相手との勝負である。「相手も勝とうとしているし強い」どころではなく、「相手のほうが強い」ので、当たり前のことをしていては勝てないと思った。
ところで
「雷サンダーって磁石10万と比べて何が強いの?」
みたいなコメントがあったが残飯持てるのが強いに決まってるだろ

親善試合結果

海外勢による配信 日本人控室(3世代鯖での通話)
SDのリプレイ集(サーバーに参加して#replays参照)
discord.gg
ランダマイザー抽選によって大トリの大将枠に抜擢された。しかもけつばんさん0-2、ハンター0-2でこりゃストレート負けか~って思ったところをスナドリ2-0、ウホホウホ2-0と怒涛の勢いで取り返して自分の試合にチームの勝敗がかかることに。他4人の試合を通話しながら見てたのだが自分の試合直前(ウホホウホ2戦目)からは通話をカットして臨んだ。

R1 vs控え
ヌケニン打点は普通にゲンガーマンダあたりはありそう。ラティオスにも威張るかめざ炎あるかも。
★の通りがすごく良い(ゲンガーマンダを縛っており、全員に同速以上)ので★を盤面に出して威圧しつつ、大事に守っていく方針で。
★はサンダー&オスに殺される→こいつらはケンタロスで殺せるよねということでケンタ★先発。
裏は消去法でラティサンダー。*9
1ターン目、ゲンガーのハーブ持ちが割れ、爆破されることは念頭に置きつつグロスを削る(=★サンダー圏内に入れる)地震を選択。ゲンガーは退くか守ると思ったので★は安直にサイキネは打たず守る選択。→グロスが爆破してケンタロスと共倒れ。
2ターン目、ラティアスの通りがよくなったので死に出し。ラティスターミーで目の前の相手を殴り続けて降参貰って勝ち。

R2 vs控え
1試合目の細かい情報からどうやら相当有利だなと思い、1試合目と同じ選出・初手行動にした。こういう時は変に読んだりせずに強い(強かった)行動を押し付ければいい。負けたら3試合目は行動を変えよう(ヌケニンも出そう)と思っていた。
1ターン目、こちらはさっきと同じ地震守るに対し、メタグロスがシャドボをスターミーに打ってくる。
てことはコメパン地震守るのどれかが無い。
2ターン目、動きやHPから考えて拘りグロスと断定し、その前提で考える。ケンタ★両方動かして巻き込み地震しても良かったが、たしか★を削るとラティオスの10万を耐えなくて後の展開がめんどいかも*10と思って温存して引っ込め、相手グロスが引くか落ちるターンなのでラティアスを出す。→相手は両チェンジでスターミー&ボーマンダ登場。スターミーを威嚇込みの地震で半分弱削る。
3ターン目、ケンタロスが倒されるのは集中される場合のみで、それでも地震は打てるうえに倒された場合はラティが無傷ということでツッパ。ラティはマンダ削り兼★を減速させるこご風。→★は冷凍→ラティアスで4割ほど削られる。マンダ引いて出てきたグロス地震で出落ち。ゲンガーが引きずり出されて★とともにこご風を食らう。こちらの後発も加味して勝ったなと確信したターン。
4ターン目、ケンタロスの役目がなくなったので、爆破で共倒れしても鬼火受けてもいいやという気持ちでツッパ。ラティアスは爆破警戒で守る。*11→★守るゲンガー爆破でゲンガーとケンタロス交換。こちらはスターミー、相手はマンダを死に出し。
5ターン目 マンダに冷凍、スターミーにドラクロを打ってゲームセット
というわけで2-0で勝利!!
個人としてもチームとしても勝ててよかった。

終わりに

2連敗からの2連勝という大将戦として最高の(?)舞台を用意してくれた、そして構築検討など一緒にしてくれた日本チーム4人に感謝。
てるるさんはTeam world側との色々な調整に尽力してくれて、何よりこの面白いルールを紹介してくれて、本当に感謝してます。また一緒にキャンプ行こうな。
Team World側の調整や当日の進行、配信をしてくれていたNnico Iosi、Mosquitoと、対戦してくれたAkiakをはじめとしたTeam worldの面々にも感謝します。
05ダブルは2019年にエメラルドミーティングやってた頃に個人的にハマって(ミラーマッチ多発ゲーが好きなので)何回か大会とかしたんだけど、キャラバランスとかの問題からルールとしての評判は正直悪くて僕としては悲しみの日々を送っていたのだが、オーレコロシアムは05ダブルの経験もしっかり活きるけどちょっとキャラバランスが持ち直した感じで、けっこう面白いんで、本当にオススメ。
Orre Colosseum(他過去作ルール)をSDフォーマットで遊べるdawnサーバーは↓から
dawn.psim.us

*1:砂でD上がらない、範囲攻撃の仕様上雪崩の威力が低い、砕くが特殊技、ろくな格闘技が無い、などとにかく後の時代に比べて全ての数字が足りない。環境中心のポケモンであるグロスに弱い、最強技の一角である地震も抜群、変な格闘地面水草全部重いし、ケンタサンダーにも属性的に行けると思わせてフツーに上取られまくる。トリルもないので変に上取れるようなチャンスもない。冷静に考えていくとなかなか厳しめのキャラである。ただし、Nnico IosiがOCXで優勝したHBほぼ特化の電磁波雪崩バンギはかなり良いと思う。

*2:打点皆無、鉢巻シャドボ/めざ霊を含む1~2個のみ等

*3:襷が無いため一体でもヌケニン打点を大事に回せば案外対処できる、とか

*4:苦手なキャラが少ないため、被っていない苦手キャラを見ると、自然と補完関係が生まれている

*5:例:変な炎タイプ、めざ岩=非最速グロス、めざ炎=非最速ラティ、拘りゴースト技、など

*6:柏スタンから1~2体いじればいろんなパーティができるので、やっぱあのパーティは05ダブルの基本であり結論という感じがある

*7:ヌケニンも風2回で110族まで抜ける

*8:Nnicoのスターミーはピント持ちじゃなかった笑

*9:1試合目からヌケニンは情報不足過ぎて無し。ラティグロスサンダーから2となると、グロスが誰にも上取れない(相手グロスよりは速いだろうけど)から無し

*10:後で計算したら満タンでも中乱数だった

*11:ゲンガーの身代わりが裏目だが、ハーブ持ちなのでたぶん守る爆破だろうと考えると、身代わりまではさすがに持ってないと判断